監視カメラはほとんどのマンションや事業所にすでにあります。それでも映像の多くは、何かが起きた後になって初めて見返されます。この報道が扱っているのは、そのカメラたちに「起きる前」から働いてもらう方法です。
課題:人は採りにくくなる一方、安全へのニーズは減らない
警備人材の不足と高齢化は長年にわたり解決されないまま、そこへ最低賃金と労働保険料率の引き上げが重なりました。人は見つけにくく、コストは上がる。それでも事業者は従来どおりの安全とサービス品質を維持しなければなりません。
一方、監視カメラはマンション、オフィス、事業所に広く設置されているものの、一人が同時に複数の画面を監視することが多く、同じ集中力を長時間保つのは困難です。そのため映像の多くは「事後に見返す」段階にとどまります。さらに警備サービスが設備状態、作業環境、企業の運営面にまで広がるなか、現場担当者は定点勤務に加えて、異常の判断・通報・現場対応をより多く担うようになっています。
何総監は報道のなかで、人件費の上昇に対して業界はこれまでサービス料金の値上げで対応するほかなかったが、マンションや管理会社が吸収できる幅には限りがあり、人員を増やすだけでは長期的な人手不足は解消しない、とも指摘しています。これこそが、華辰が今年 AI の適用を既設の監視システムにまで広げた理由です。
仕組み:AI がスケジュール巡回し、異常のみ通知する
「AI イーグルアイ映像巡回」は既設の監視システムをそのまま利用します。AI がスケジュールに沿って各カメラを巡回し、異常を見つけた場合に管理側へ通知して事案映像を保存することで、監視カメラは受動的な録画・事後確認から、日常巡回への能動的な参加へと変わります。マンションは設備を大幅に入れ替えなくても、クラウド上で巡回記録と異常事案を一元的に把握でき、スマート防犯導入のハードルは大きく下がります。
既存のカメラ、配線、録画装置はそのまま残せます。AI はその上に重ねる判読の層です。
エリア・時間帯・現場状況ごとに巡回条件を設定できます。判断するのは「人がいるか」だけでなく、「対応が必要な事象か」です。
事案が成立するか、どう通報するか、どの対応をとるかは、引き続き中央管制と現場担当者が判断します。
報道で挙げられた例
同じ「深夜に照明がついている」でも、現場でまだ人が作業していれば、システムは記録を残すだけで通知は出しません。人がおらず照明がついたままなら、管理側に確認を促します。違いは画面に何が写っているかではなく、その組み合わせが対応を要する状況かどうかにあります。
AI が引き受けるのは、長時間の監視、定時巡回、記録整理といった反復作業です。限られた人員が本当に介入を要する状況に集中できるようにするためであり、技術で警備員を置き換えるものではありません。
二つのラインの違い:映像巡回とクラウド巡回隊
昨年投入した「AI イーグルアイ・クラウド巡回隊」は、センサー機器を新設して夜間の無人防護を構築するものです。今年の「AI イーグルアイ映像巡回」は既設の監視システムをそのまま使います。解決する課題も、適した現場も異なります。
| 観点 | AI イーグルアイ映像巡回(2026) | AI イーグルアイ・クラウド巡回隊(2025) |
|---|---|---|
| 設備の前提 | 既設の監視システムを活用、大幅な更新は不要 | センサー機器を新設し、夜間防護を構築 |
| 主な狙い | 既設カメラを日常巡回に参加させる | 夜間の無人防護と要員の削減 |
| 導入ハードル | 低め。一部のポイント・時間帯から開始可能 | 現地調査と機器設置が必要 |
| 適した現場 | マンション、オフィス、チェーン小売などの多拠点企業 | 夜間の人員を絞りたいマンション・事業所 |
マンションから多拠点企業へ
同じ人員・管理上の圧力は、チェーン小売やオフィス、その他の多拠点現場にも現れています。出店ペースが上がり拠点が分散するほど、本部は各地の人員配置を扱うだけでなく、場所ごとの安全・運営リスクをリアルタイムに把握する必要が生じます。
こうした顧客に対して華辰は、AI 映像巡回をカスタマイズ管理プラットフォームと組み合わせ、各拠点の巡回記録と異常事案を一元的に確認できるようにしています。担当者が拠点ごとに回る管理負担を減らし、本部と現場の情報格差も縮めます。
人手不足、高齢化、運営コストの上昇に直面するなか、警備業の今後の転換の鍵は技術と現場サービスを有効に協働させることにある、と何総監は述べます。華辰は AI 映像巡回・クラウド管理・現場対応の統合をさらに深め、不動産管理事業者とともに関連応用を推進し、限られた資源のなかでより即時性が高く持続可能な安全管理モデルの構築を支援していきます。
まず実現可能性を確かめたい方へ
- 今のカメラが使えるか——位置・画角・画質が判読に足りるかで、追加投資の要否が決まります。多くの場合、既設のままで足ります。
- まず数ポイントで試す——特定のエリアと時間帯から始め、判読の品質と通知頻度を確認してから広げられます。
- 異常を誰が引き受けるか確認する——AI が異常を検出した後、どこへ送られ、誰が当直し、何時から何時まで人がいるのか。ここが警備サービスと単なるソフトウェアライセンスの最大の違いです。